ケーキも切れないし日常のことが色々できない司法書士のブログ

組織に属しておらず守られてない分、いいたいことはいわないと損した気分になる器の小ささ。

ハンコ消滅と司法書士

わたくし現在38歳。「人生100年時代」なんて言葉はあまり好きじゃないのですが、どうやら僕らは長生きするそうです。長生きするということは、それだけ長く働く必要が出てきそうですが司法書士なんて斜陽産業を選んでしまったわたくし。これから3、40年くらいこの仕事が世の中に残ってくれるといいなと思うのですが、そんな不安で傷ついた気持ちにコロナちゃんが丁寧に隙間なくワサビを塗り込んでくれました。そう、ヤツは「脱ハンコ」の流れを加速させたのです。司法書士とハンコはそりゃ~もう切っても切り離せない、中学からずっと一緒で今はお互いの子どもが同級生の親友みたいなもんです。ほら、見たことありません?印鑑証明書と実印をパタパタ見比べて「印鑑照合~~っ!」て私たちがやってるの。ここで高卒で何のあてもなく地方から東京に上京し、職を転々としながら悪魔のように難しい司法書士試験に合格、わずか10カ月だけ事務所勤めをした後独立した超前向きに見られやすい私の建前と本音を書いておきましょう。


建前
「今まで培った知識をお客さまのために生かしたい!試験に受かったのも今こうして司法書士として仕事ができているのも出会いに恵まれ、お客さまに恵まれたおかげ!これからも新しい知識をどんどん取り入れ、時代にあった最適な提案を皆さんにして、自分を支えてくれた人とお客さまに恩返ししていきたい!」


本音
「ひ~~!あんだけ難しい免許死ぬほど勉強して取ったのにルール変更すんなよ~。試験受かった時は資格に守られてず~っとず~っとぬるま湯に使ってもう1ミリも努力せずにダラダラ生きていこうとおもったのに!!というか、コレ食べてくには一般企業と変わんない努力が必要だよね。会社の人間関係が苦手で気楽に生きるために開業しただけなのにフェイスブックやらツイッターやらで高意識のキラキラな時代を変えてやる的なこと言っちゃう人とうっかり同じ土俵にのっちゃったよね。いやいや、僕ずっとクラスでも中の下だったんで優秀でもなんでもない地味男です!困った・・どうやって生き残ろう・・・」


ということなのでございます。ちょっとしたルール変更で不安になってしまうのですね。しかし、冷静に考えたらハンコがなくなったからって司法書士の仕事が減るとは限らないし、だいたい何かが簡略化されたらなんかが難しくなるものなんですよね。写真がスマホで綺麗に簡単に取れるようになっても、新たに写真を編集してインスタにあげるなんて昔は無かった作業ができるように多分、減ったぶん別の仕事ができるんじゃないかと思います。こうやってあんまり根拠のない漠然とした不安に襲われてしまうのは人間の常なのかも知れません。私もそんな漠然とした不安に襲われているお客さまに知識を使って十把ひとからげにバッサリやるような優しくない応対はしないようにしようとふと思いました